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一級建築士 年収は平均679.1万円|企業規模・勤務地・手取りの目安を解説

一級建築士の年収は、厚生労働省jobtagの建築設計技術者(一級建築士を含む区分)で平均679.1万円(全国・令和7年)。企業規模や勤務地で大きく変わり、求人票ベースでは554万円程度。統計の注意点と手取りの目安を出典つきで解説します。

キーワード: 一級建築士 年収

一級建築士の年収は平均679.1万円|まず押さえるべき前提

厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると、建築設計技術者の手取り目安">平均年収は679.1万円です(全国、令和7年賃金構造基本統計調査を加工した数値)。平均年齢は43.4歳、月間の労働時間は166時間とされています。

ただし、ここには重要な前提があります。賃金構造基本統計調査に「一級建築士」という職種区分はなく、あるのは「建築設計技術者」という区分です。意匠設計も構造設計も設備設計も、一級建築士も二級建築士も資格なしの設計者も、すべてまとめて1つの職種として集計されています。つまり679.1万円は「一級建築士だけの平均年収」ではなく、「一級建築士を含む建築設計技術者の平均年収」です。

ネット上では632.8万円という数字もよく見かけますが、これは令和6年以前のデータです。令和7年調査で679.1万円に更新されているため、本記事では新しいほうを採用します。

参考までに、国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円、男性597万円、女性342万円、正社員に限ると559万円、正社員以外は210万円です。建築設計技術者の679.1万円は、正社員平均を120万円ほど上回る水準といえます。

企業規模で年収はここまで違う

過去にe-Statで公開されていた「賃金構造基本統計調査 令和元年以前 職種DB第1表」には、一級建築士の区分がありました。その企業規模別データがこちらです(2009年〜2019年時点のもの)。

企業規模男女計男女
計(10人以上)702.9万円718.1万円607.5万円
1,000人以上900.4万円940.3万円718.1万円
100〜999人747.1万円761.7万円668.8万円
10〜99人576.7万円591.7万円445.5万円

同じ「一級建築士」でも、1,000人以上と10〜99人では323万円の差があります。ただしこの表は令和元年(2019年)で更新が止まっており、現在の相場としてそのまま使うことはできません。それでも「年収を決めているのは資格ではなく、どこで働いているか」という傾向は、令和7年の679.1万円のデータでも変わらないと考えられます。

なお、この統計に掲載されていた一級建築士は24,680人で、全国の一級建築士383,923人の約6%にすぎません。しかもそのうち44%にあたる10,960人が従業員10〜99人の事業所です。平均値はこうした偏りを含んだ数字である点に注意してください。

経験年数・年齢別に見る給与の伸び方

経験年数別の所定内給与額(月額)は次のとおりです。

経験年数所定内給与額(月額)
0年29.07万円
1〜4年31.57万円
5〜9年36.07万円
10〜14年41.03万円
15年以上48.40万円

年齢別では55〜59歳の879.60万円がピークで、800万円を超えるのは50代前半からとされています。一方、月額100万円超は全体の1.0%にとどまり、高収入層はごく一部です。

月額の分布を見ると、いちばん多いのは40.0〜44.9万円の層で10.8%、次いで45.0〜49.9万円が8.3%、50.0〜54.9万円が7.5%です。24万円台から55万円台まで、どの帯もおおむね5%以上を占めており、特定の金額に人が集中しているわけではありません。「標準的な年収」と呼べる山がないのが実態です。

勤務地による違い|東京都759.0万円・石川県640.8万円

平均年収有効求人倍率
全国679.1万円2.83倍
東京都759.0万円3.39倍
石川県640.8万円5.62倍

東京都は全国平均を約80万円上回る一方、石川県は約38万円低い水準です。「地方だから大幅に安い」というイメージほど差は大きくなく、生活費まで含めて考えると手元に残る額は逆転することもあるでしょう。有効求人倍率は石川県が5.62倍と全国の約2倍で、求人の多さも地域差があります。

手取りはいくら?年収別の目安

年収700万円の場合、社会保険料・所得税・住民税を差し引いた手取り額は約530万〜550万円(月額換算で約38万〜40万円)が目安とされています。扶養家族の有無、住宅ローン控除、お住まいの自治体による住民税の差などで金額は変動します。

年収が上がるほど税率と社会保険料の負担率も上がるため、額面ほどの手取り増にはなりません。ご自身の条件での概算は手取り早見で確認できます。年収水準の位置づけを比較したい場合は年収指数もあわせてご覧ください。

求人票ベースでは554万円|統計との違い

求人ボックスの給料ナビでは、一級建築士に関わる仕事の平均年収は554万円です(2026年7月時点)。統計の679.1万円と開きがありますが、これは母集団の違いによるものです。

賃金構造基本統計調査は、実際に働いている人の賃金を国が調べたもので、ベテランも管理職も含まれます。一方、求人ボックスの数字は募集中の求人票の給与水準の中央値です。求人は中途採用が中心のため、部長クラスの給与は出てきません。どちらが正しいというものではなく、見ている対象が違うと理解しておきましょう。

まとめ|年収は資格ではなく置かれた環境で決まる

  • 建築設計技術者(一級建築士を含む区分)の平均年収は679.1万円(全国・令和7年)
  • 「一級建築士」単独の職種区分は存在せず、資格の有無だけでは年収は説明できない
  • 過去データでは企業規模で323万円の差。1,000人以上900.4万円、10〜99人576.7万円
  • 年齢別ピークは55〜59歳の879.60万円、月額100万円超は全体の1.0%
  • 勤務地は東京都759.0万円、石川県640.8万円
  • 求人票ベースの平均は554万円(2026年7月時点)
  • 年収700万円の手取りは約530万〜550万円が目安

同じ資格を持つ人の給与が月額24万円台から55万円台まで散らばっている以上、年収を決めるのは資格そのものよりも、勤務先の規模・専門性・経験年数・勤務地といった要素です。これらは動かせる要素でもあります。関連する記事は記事一覧にまとめています。

よくある質問

一級建築士の平均年収はいくらですか?

厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」では、一級建築士を含む「建築設計技術者」の平均年収を679.1万円(全国・令和7年賃金構造基本統計調査を加工した数値)としています。ただし統計上に「一級建築士」単独の区分はないため、これは資格保有者だけの平均ではなく、二級建築士や資格なしの設計者も含んだ数字である点に注意してください。

一級建築士の資格を取ると年収は上がりますか?

資格の有無だけで年収が決まるわけではないと考えられます。過去の統計では、同じ一級建築士でも企業規模によって平均年収に300万円以上の差があり、月額の給与も24万円台から55万円台まで広く散らばっています。勤務先の規模や専門性、経験年数、勤務地の影響が大きいとみられます。

年収700万円の手取りはいくらですか?

社会保険料・所得税・住民税を差し引いた手取り額は約530万〜550万円(月額換算で約38万〜40万円)が目安とされています。扶養家族の有無や住宅ローン控除、自治体による住民税の違いで変動するため、あくまで概算としてご利用ください。

求人票の平均554万円と統計の679万円はなぜ違うのですか?

賃金構造基本統計調査は実際に働いている人(ベテランや管理職を含む)の実績値であるのに対し、求人ボックスの給料ナビは募集中の求人票の給与水準の中央値です。求人は中途採用が中心で部長クラスの求人が出にくいため、低めに出やすいという母集団の違いがあります。

独立すると年収は上がりますか?

一概には言えません。管理職や独立後に1,000万円超も可能とされていますが、受注状況や事務所の規模によって収入は大きく変動し、安定しない期間が続くこともあります。独立後の年収は統計的な平均値が取りにくい領域なので、あくまで目安として捉えてください。

参考情報

関連ガイド

本記事の金額は公開統計や一般的な試算に基づく目安です。実際の手取りは社会保険・税法・扶養・居住地により異なります。重要な意思決定の前に、最新の公式情報や専門家の助言を確認してください。